子どもには、しっかりと考える力をつけてほしいわ…
うちの子は、何にも考えていないように見えるから、どうしたらいいかしら…
『考える力』がとても大切なものだということは分かっていても、どうやったらそれがつくのか分からない親御さまも多いのではないでしょうか。
学校教育でも、この『考える力』を伸ばす教育方針が打ち出されたりしていますが、実際のところは、なかなかうまく授業に落とし込めていないのが現状です。
教える側の立場の人間が、これを分からずに、子どもや生徒に「自分で考えなさい」と、言ったところで、一向に子どもの考える力は育ちません。
そこで、この記事では、子どもの考える力を育てる上で、親が知っておくべき3つのポイントを紹介していきます。
代表・太田
子ども自身の『考える力』を伸ばしたいと思う親御さま、必見の内容になっています。流し読みしないで、じっくり読んでくださいね。
・『考える力』の正体を知ることができる
・『考える力』を育てるための3つのポイントが分かる
・どうやって考えたらいいのか、具体例をもとに、『考え方』を知ることができる
子どもの考える力をつける最初の一歩は!?
子どもの考える力をつけるための1つ目のポイントを紹介していきますね。
それは、『考える力が何かを知る』ということです。
さて、これを聞いて、あなたは『考える力』について、どのように説明されますか?
教える側の人が、『考える力』が何かをはっきりと分かっていないと、教わる側はそれを伸ばすことなんてできません。
なぜなら、教わる側の子どもも、何をどうしたらいいか分からないからです。
子どもが、『考える』ということが何かを分かっていない中で、「あなたはもっと考えなさい」と言ったところで、焼石に水になってしまいます。
では、『考える力』とは何か。
【考える力=知識量×問いを立てる力】で決まります。
意外と誤解されがちなことですが、実は知識量も大きく影響します。
その理由について、『少子高齢化』というテーマを例に、一緒に考えてみましょう。
これについて考えるときに、あなたはどのように子どもと考えていきますか?
代表・太田
「考える」というプロセスは、学校では教えてくれません。ここで書いている『考えるプロセス』は、きっと役に立つので、ぜひ一緒に考えてみて下さいね。
上で話したように、考える上で、まずは問いを立てていかなければいけません。
さて、『少子高齢化』について、あなただったらどんな問いが立てられますか?
上図のように、いろいろな問いを持つことができるのではないでしょうか。
さて、もうお気づきの人もいるかもしれませんね。
上の問いに対して、そもそも知識がなければ、そこから思考を進めていくこともできなければ、自分の意見を持つこともできません。
ここに気づかない限り、子どもの『考える力』をつけることはできません。
まずは、『考える力』がなにか、正確に把握しておきましょう。
問いかける
では、子どもの『考える力』を伸ばすための2つ目のポイントを紹介していきます。
それは、子どもの考える力をつけるためには『問いかける』ということです。
具体例をもとに、一緒にどんな問いかけが考えられるか、一緒に見ていきましょう。
例えば、「サッカーでうまくなりたい」と子どもが思っていたとします。
そんなとき、あなただったら、最初にどのような問いかけをしますか?
もちろん、この段階で、「もっと練習する時間を増やしたら?」とか「まずはリフティングの練習はどう?」みたいに具体的な指示を出してしまうのはNGです。
では、どんな問いかけがいいのか?
サッカーが上手くなりたいと思っている子に、初めにするべきことは、『自分がどうなりたいのかを聞くこと』です。
子どものゴールが何かを明確にしない限りは、正確なアドバイスはできないですよね。
加えて、意外と子ども自身も、「ただ漠然とうまくなりたい」と考えているケースも多かったりします。
何に課題を感じていて、どうなったらゴールなのかを、自分の言葉で伝えることで、ゴールを明確にしてもらうことができるんですね。
では、子どものゴールを引き出す問いかけをしたとき、どんな答えがかえってくるでしょうか?
「ドリブルで相手を抜く」や「シュートを決める」などいろいろ考えられますが、ここでは、「シュートを決める」という回答を子どもがしたとしましょう。
子どもの回答を聞いたら、ここでもまだ答えを言わずに、さらに問いかけをしていきます。
じゃあ、シュートを決めるにはどうしたらいいと思う?
シュートの練習をする!
おそらく上のような回答が、子どもから返ってくることが多いと思いますが、ここで、終わってしまっても良くありません。
なぜなら、「シュートを決める」ためには、シュートの練習以外にも、ドリブルや、フリーでパスをもらうこどなども影響しているからです。
そのため、「他には?」「どうやったら、今よりもっとシュートが決められると思う?」と、問いかけてみましょう。
このように表にしていただけるとお分かりいただけると思いますが、子どもの考える力をつけるためには、教える側が、正しく思考できている必要があります。
子どもの考える力は、『教える側の考える力』で決まるという事実に目を向けて、真摯に取り組んでいきましょう。
空白の時間を作る
ここまで、考える力をつけるための2つのポイントをお伝えしてきました。
『考える力=知識量×問いを立てる力』ですから、知識量は勉強で増やすとして、『問いかける』ということを親としては、サポートすることが大切になります。
ここにもう一つポイントを加える必要があります。
それは、「空白の時間を作る」ということです。
思考は、いつだって余白から生まれます。
余白がないと、考える力の公式をうまく機能させることができません。
例えば、親が子どもに問いかけたときに、子どもの回答を待たずに、ヒントや答えを誘導するようなことをずっと親や先生が話していたらどうでしょうか。
問いを立てることすらできないため、いつまで経っても、考える力は育たないですよね。
また、仮に、子どもがぼーっとしていたとして、そのとき、本当に子どもは何も考えていないのでしょうか?
ご自身の子供のころを思い返してみると、意外と何もしていないときに、学校のことを振り返ったり、今日の友達とのやりとりを思い返したりしていたことはありませんでしたか。
そんなときに、「今日宿題やったの?」「勉強はいつやるの?」「何もしないなら手伝って」と言ってしまうと、『考える時間』を奪ってしまうことになります。
子どもは、親が思っているよりも、意外と自由な時間が少なかったりします。
学校では、時間割通りに生活しなければいけませんし、放課後は習い事や塾があることも多く、食事やお風呂などの生活の時間を除けば、けっこう少ないんですよね。
もちろん、「勉強やってからボーッとしてほしい」と思う親御さまもいるでしょうが、その何もしていないときに、子どもは、案外「宿題やらなきゃ」など考えているかもしれません。
子どもがボーッとしている時間を、「今はこの子は考えているのか」と捉えてみると、広い心で見守ることができるときも増えるはずです。
いずれにしても、「余白こそが思考を生む」ので、『余白を作る』ということも大切にしてみてください。
代表・太田
『知識量』と『問いを立てる力』どちらが大切かと言われれば、『問いを立てる力』が先にきます。なぜなら、問いを立てることで、自然と知識量は増えるからです。ですから、知識をただ詰め込む教育ではなく、問いを持たせることで知識を理解していく教育こそが、本来あるべき姿ですよね。