英語学習において、はじめに取り組むのが、英単語を覚えることではないでしょうか?
小学生の子どもにとって、英語は馴染みのない第二言語です。
そのため、学習ハードルを下げたり、興味を持たせるようにすることはとても大事になるので、英単語から学習を始めるのは、とても効果的です。
聞き取れない単語がほとんどなのに、ただリスニングをしたところで、子どもにとっては雑音になってしまいますからね。
とはいえ、英単語を覚えるにしても、どのように子どもに覚えてもらったらいいのか分からないという方も多いのではないでしょうか?
中には、なかなか覚えてくれないという方もいるかもしれません。
この記事では、英語学習を始めたばかりの小学生がどのように英単語を覚えていけば良いのか、正しい暗記法などをお伝えしていきます。
・小学生にやらせてはいけない間違った3つの英単語暗記法がわかる
・英単語の正しい覚え方3ステップを知ることができる
なぜ英単語の学習が必要なのか?
そもそもなぜ英単語の学習をする必要があるのでしょうか?
なぜならどの言語においても、文の最小単位は「単語」だからです。
例えば、”I have a pen”というシンプルな例文も、一つ一つの単語が組み合わさってできています。
ですから、それぞれの単語の意味を知らないと、理解を深めていくことはできません。
意味がわからないのに、ただ英語を聴いたり、マネして発音したところで、子どもの脳は働かないため、せっかくの効果も薄れてしまいますよね。
また、英単語から取り組むことは、他にもメリットがあります。
それは、お子さまの英語学習のハードルを下げることができるということです。
英語に慣れていない段階で、いきなり英文から入るよりは、単語を一つずつ覚えていく方がはるかに学習ハードルは低くなります。
小学生にやらせてはいけない間違った3つの英単語暗記法
1)日本語訳を覚える
英単語を日本語とセットで覚える方法は、オススメできません。
なぜなら、日本語を経由して英語を理解していくことは、英語をマスターすることから遠ざかるからです。
これを読んでいる方の中には、単語カードを作り、表面にスペルを、裏面に日本語訳を書いたりして、覚えた方も多いと思うので、驚かれた方も多いのではないでしょうか。
しかし、冷静になって考えてみると、このやり方では、学校の英語のテストでは点数が取れたとしても、英語をマスターするという点においては、マイナスになってしまいます。
この理由は、私たちがいま使っている言語の仕組みを考えてもらえれば、すぐにお分かりいただけるはずです。
そもそも私たちは、日本語を使うときに、何か別の言語に翻訳して、情報を処理するわけではありません。
英語もそれと同じです。
英語をわざわざ日本語に頭の中で変換して、言葉を理解するのは、言語を習得する上で、正しい使い方ではないですよね。
ですから、英単語を日本語訳で頭の中で暗記していくのは、正しい覚え方とはいえません。
2)カタカナ発音を覚える
カタカナ発音で英単語を覚えることも、間違った覚え方になります。
英語を始めた子どもからすれば、スペルを見たときにどう発音すればいいかわかりません。
そのため、カタカナでも発音が書かれてある教材は、親切に感じる人もいるでしょう。
しかし、英語の発音は、カタカナ発音とは全く違います。
正確にいえば、英語の発音は、カタカナよりも圧倒的に音の数が多いんですね。
例えば、カタカナの「ア」という音一つとっても、英語では[ɑ] [æ] [ʌ][ə]と4種類もあります。
もし英語学習の初期段階で、間違ったカタカナ発音を身につけてしまうと、英語を聞き取る耳が育たない上に、英語の発音すらうまくできなくなってしまいます。
小学生向けの教材には、カタカナ発音が記されているものも多いです。
子どもの英語レベルに立って考えれば、普段から慣れ親しんだカタカナに目線がいってしまいまうので、悪いクセがつかないように気をつけましょう。
3)スペルから覚える
小学生向けの英単語のプリントを見ていると、日本語から英単語のスペルを書かせるタイプの練習プリントを目にしたことがある人もいるのではないでしょうか?
スペルを覚えることは、とても大切だと思いますが、スペルから覚えることは効果的な覚え方ではありません。
なぜなら、子どもからすれば、英単語のスペルというのは、ただの記号の羅列にしか見えず、興味を全く持てないからです。
漢字を覚えるとき5回、10回書いて覚えたのだから、英単語も書いて覚えればいいと考えるかもしれませんが、漢字の暗記と英単語の暗記は違います。
普段自分が使っている日本語をどのように漢字で書くのを覚える方が、圧倒的にやりやすいですよね。
そのためを同じように学習をしてはいけないんですね。
漢字を学び始めたのはいつからでしたか?
日本語をある程度使えるようになった小学生から、簡単な漢字を覚えていったように、英単語のスペルもある程度言語を理解した段階で取り入れることがオススメです。
小学生のための英単語の覚え方の3ステップとは?
[1st Step]音声を聞いてマネする
英単語の最初のステップは、音声を聞き、マネすることから始めましょう。
音声を聞いてマネすることで、「英語を聞く」ということと、「英語を言う」という2つの練習をすることができます。
よくよく思い返してみると、私たち日本人も、母国語を獲得するために、両親や身近な大人の会話をマネすることから、言語を習得していますよね。
『音声を聞いてマネするということ』は、それだけ効果的な学習法(覚え方)になります。
また、このやり方は、他にもメリットがあります。
それは、必ずしも机に座って勉強しなくてもいいことです。
子どもにとって、英語がまだよく分かっていない段階で、机に座って書いたり、覚えたりすることは、興味をなかなか持つことができません、
そのため学習効率も落ちてしまいます。
しかし、聞いてマネするだけなら、テレビを見ながらでも、ソファーでくつろぎながらでも、車の移動時間でも行なうことができます。
この段階は、いかに興味づけるか、いかにさりげなく日常に英語学習をとけこませるか、など、英語の教え方以外の部分も工夫することが求められます。
子どもの反応を見ながら、うまく関わっていきましょう。
[2nd Step]イメージを英単語につなげる
次は、英単語の発音を聞いたときや発音をするときに、その単語のイメージを頭に思い浮かべるように練習しましょう。
ポイントは、上でも説明した通り、日本語訳ではなく、あくまでイメージを連想することです。
例えば、「apple」と聞いたときや発音するときに、「りんご」という日本語訳ではなく、りんごのイメージを脳内に描いていきます。
そのため、日本語訳の英単語教材ではなく、イラスト付きの英単語教材を選ぶようにしましょう。
2ndステップとして紹介していますが、最初のステップの「音声を聞いてマネする」ことと同時に取り組むことがオススメです。
[3rd Step]英単語のスペルを書けるようにする
ステップ1・2をクリアし、お子さまが教材を当たり前にこなせるようになったら、次のステップ「英単語のスペルを書ける」に進みましょう。
ここまでただ発音していただけの英単語も、文字を書いてみると、意外と難しいことに気づくはずです。
例えば、数字の「1」は、英語で発音すると【wˈʌn】となります。
今まで、当たり前のように発音していた単語を、いざ書き出してみると、oneというスペルで、まさかアルファベットの”o”から始まるなんて思わないはずです。
ステップ1のただマネするだけと違って、書いたり、暗記するのは、なかなか大変に感じる子どももいるかもしれません。
クイズ形式にしたり、量を調節したりして、焦らずに少しずつ取り組むようにしていきましょう。